お盆のころの黄昏は、6時40分にはじまり約30分後に終わる。
これは、私の勝手なトワイライトタイムである。
<たそがれ>の語源は、誰そ彼?=たそかれ?誰の顔だが暗くて不明になるこ
とからという説がある。<薄暮>ということばも好い。いま現在だと、薄暗が
りがはじまる時間が、6時40分に相当する。白いシャツ姿が青みを帯びてき
れいにみえる時間帯である。好きな時間は、あっという間に30分ほどで終わ
りを告げる。あとは、暗闇が街を支配してゆくばかりである。
この日暮れ時を効果的に映し出した映画をおもいかえす。
<三丁目の夕日>では、まん丸な夕日が煌煌と輝いており、すこしばかり時間
が早い。すぐに思い出すのは、市川準作=<東京夜曲>。東京の下町の風情を
すくいあげながら中年男女の機微をしずかに描いた逸品である。あとは、大林
監督の<時をかける少女>や<さびしんぼう>だろうか。大林監督は、ノスタ
ルジアを感じさせる良質な作品をつくる作家であり、自ずから黄昏時が登場す
る作品は多いようである。<異人たちとの夏>も夭逝した両親と主人公が出会
うシーンは、夜に向かいつつある時間だったと記憶している。ともかく、黄昏
を効果的に取り入れた映画は、秀作がおおいようである・・。
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