◉aug.9___aug.19
──────────────────────────────────────────だが、後半の肉のうねりや躍動感、物質化する身体の様子は、発現し
かかっているように見えた。たとえば、ブリューゲルの絵画作品のよ
うなニュアンスを狙っているように見受けられる。
なぜ美しくならないのだろうか?たぶん演出家の脳内における生体の
脱力/倒壊の美のイメージが、ステージ上に立体化させると乖離して
いるからではないのだろうか。ダンサーたちとのイメージの共有化と
空気の質のコントロールにかかっているようだ。作家のクリアーなヴ
ィジョンが見たい。aug.19
シネマスコーレでファスビンダーの特集上映を上映してくれるらしい。
今までならシネマテークでしかかからなかっただろうが、掬いあげて
いただけてうれしい限り。aug.15
最近、なぜか岡崎京子のことが気になり、2000年のSWITCH特集号を
借りてくる。27年にわたる休筆はあまりに残念だが、描かない27年間
の日々に想いを馳せる。
今日ものわにてブック・コンシェルジュ。合間に《Talking Table》の
打ち合わせ。紙上のダンスの対話編として脳内で構想が固まる。さら
に作業の合間に調律師の方と会話。共通の知人が多く、調律師になる
きっかけをお聞きしたりする。
《658km、陽子の旅》簡単に言って仕舞えば、ヒッチハイクのロード
ムーヴィなのだが、独特な肌触りがある。主人公が鬱的な対人障碍者
となればこそなのだろう。旅を通じて自分の感情をとりもどしてゆく。
《海炭市叙景》同様、独自の眼差しがたしかな手応えを感じさせる熊
切演出の冴え。aug.9